私たちが日常に過ごしている食生活は豊かであり、便利であり、栄養状態も充足しているのであるが、無駄が多く、直さなければならないところも多い。心身共に健康に暮らすためにはどのような点に注意して食生活をすればよいのであろうか。

 最も大切なことは主食、主菜、副菜を基本にして、バランスの良い食事を、1日に三度 きちんと摂ることである。当たり前のことと思われるかもしれないが、実行できていない人が人が若年層なら3割はいるのである。

 食事を作るときに最も苦労するのは栄養バランスをどうすればよいのかということであるらしい。そこで目安になるのは厚生労働省が作成した「食事バランスガイド」である。  このバランスガイドには1日の食事が料理の皿数で図示されているから分かりやすい。主食としてご飯、パン、麺を茶碗に5杯、主菜には肉、魚、卵、大豆料理などを3皿、副菜は野菜、キノコ、芋、海藻料理などを5皿、牛乳を1本、果物を2個 を食べるようにすると、1日2000キロカロリーから2400キロカロリーの栄養がバランスよく摂れる。多少の過不足があっても、毎日でなければ気にすることはない、糖質を00グラム、タンパクを00グラムというのでないから誰にでも実行できる。外食やコンビニ弁当ばかりではカロリーやタンパク質、脂肪の摂りすぎ、野菜不足になりやすい。

 そして、自分の適正な体重を知り、日々の活動に見合った食事を摂って体重をコントロールして肥満を防止する。これは7割ぐらいの人が既に実行していることである。 適当な運動、禁煙、適量の飲酒、朝食を抜かない、睡眠を十分にとる、など生活習慣の改善に努める。

 科学的根拠のない食情報に惑わされていては食べるものを安心して選べない。食品表示を積極的に活用して安心できる食材を選ぼう。農薬や食品添加物を残留基準値あるいは使用上限値を超えて口にすることはめったにないから、それほど心配しなくてよい。科学的根拠の少ない健康食品には大きな期待をしないほうがよい。

 誰もが少し注意をすれば健康に良い食事ができる幸せな時代である。 それよりも、食事を家族や友人と一緒に摂ることで豊かな人間関係を築くことにもっと努力してほしい。バラバラ食、孤食、子食などがこんなに増えては家庭が崩壊しかねない。食卓を囲む親子の楽しい会話で家族の絆を確かめ、地場の旬の食材で郷土料理などを作って地域の人たちとも交際を深めよう。体にやさしい食事をすることは簡単だが、心にやさしい食事をすることが難しくなったのである。

 

 

 

 

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