サプリメント、略してサプリという名称は便宜的に使われている。もともとはアメリカで代替医療（医薬を使わない民間治療）に使われるビタミン、ミネラル、アミノ酸、プロテイン粉末、植物エキス、ハーブなどのダイエタリーサプリメント（栄養補助物）に由来する名称である。

　ダイエタリーサプリメントはすべて錠剤、カプセル、粉末、エキスなどの形態で販売されているから、商品の形態から見れば、日本の栄養機能食品（ビタミン、ミネラル）およびトクホを除くすべての健康食品に相当する。読者の皆さんもカプセルや錠剤で販売されているものがサプリメントであると思っておられるであろう。

　しかし、アメリカのダイエタリーサプリメントの内容はもともと食品に含まれている成分であること、安全性が確かめれていること、これまで使用実績があること、、医薬と紛らわしい治療効果を表示しないこと、を満たすものだけに厳しく制限されていて、何でもありの日本のいわゆる健康食品とは違う。

　日本の特定保健用食品は健康食品に属するものではあるが、その安全性と使用効果がヒト臨床試験で確かめられているものであり、カプセルや錠剤ではなく食品の形態で販売されている。いわゆる健康食品とは違うもので、またダイエタリーサプリメントでもない。読者の皆さんもヨーグルト、ヘルシア緑茶、エコナ食用油などをサプリメントであるとは思っておられないだろう。しかし、その有効成分はダイエタリーサプリメントやサプリにに共通するものがある。

　このように、皆さんが健康食品、あるいはサプリと呼んでおられるものは、人により、物により　同じではないから、健康食品は効くののか、サプリメントは飲んだほうがよいのかと問われても簡単には答えにくい。トクホは効くのかと言われれば、前話でお答えしたとおりである。