前回はイギリスに本拠地を置く減塩活動組織World Action on Salt and Health(WASH)が発表した「5 ways to 5 grams」という啓発ポスターの個人アプローチの部分を紹介しました。前回もお話しましたとおり、日本高血圧学会は一般の人にも1日食塩摂取量6g未満を推奨していますが、世界では、WHO(世界保健機関)が5g未満を目標としています。この5gに近づけるための5つの方法を提案したものです。今回は集団アプローチを紹介します。
① どれ位の食塩を何からとっているか調べる
② 食品業界と話し合い、減塩化を奨励する
③ 食品の成分表示を紹介し、消費者が選択できるようにする
④ 学校給食、職員食堂で減塩食を提供する
⑤ 食塩過剰摂取のリスクを繰り返し教育する
を互いに関係し合う円状に描いたものです。
私は②に関しては嫌われると知りながら、食品企業の人に会う機会があると一生懸命話します。すぐには拒否反応でも、ゆっくり考えてみると自分や自分の子どもや自分の両親のことを思うと、減塩化の方が良いと考えてくれるようになると性善説を信じているのです。
そして④の学校給食は呉市の小学校では既に導入。これは本当に良かったと思っています。三つ子の魂百までですから。他の地域で尼崎市なども既に始まっています。日本中の小学生が減塩食を普通に食べられる恩恵を与えられるようになるのが夢です。
呉の三菱日立パワーシステムズの社員食堂を担当している糧配では日替わりヘルシーランチ(もちろん減塩)に最近「豚肉の生姜焼きとカレイのムニエル」の新メニューを登場させました。社員の健康に寄与する人気のメニュー。私も早く食べに行こうっと。
また、⑤に関しては、馬鹿みたいに繰り返し講演しています。1月は、千葉県の市原市、2月には神奈川県の小田原市に行きました。減塩への関心は確実に高まっていると感じます。
日本よりも食塩摂取量の少ない英国で、MacGregour先生は全加工食品の10%減塩に成功して、医療費を2100億円削減できたと報告しました。日本でも企業は国民のために減塩で健康に寄与して欲しいです。日本人皆が、そぎ落とすことが洗練されているという意識に到達することが夢です。皆さん、Salt-Consciousいたしましょう。