経験したくない！痛風について

痛くなくても尿酸値が高い事を放置しないで！
～管理栄養士  河谷  彰子～

発汗量が多いと血液が濃縮し、尿酸値がさらに上がり痛風発作が起きやすいと言えます。
十分な水分補給は、尿量が増えて尿酸の排泄量も増加しやすいです。
（ただし、水を飲んだからといって尿酸値が下がる訳ではありません。）

通常、健康な方に必要な1日の水分量は1.5ℓ・尿酸値が高い方は2ℓと言われています。
また、食事からも水分補給ができます。（ご飯の約半分・野菜の約8～9割が水分）
忙しくて食事がどうしてもとれないという場合、せめて水分補給はより積極的にした方が良いと言えます。

・水分補給のつもりが、糖分補給になっていませんか？
水分補給が大切だからと、スポーツドリンクや100％ジュースを飲んでいませんか？
炭水化物量は、ほぼ砂糖量です。
　　　　　　　　　　　　　大さじ１杯の砂糖は９g。
炭酸飲料が身体に良くないと感じている方は多いですが、100％果汁ジュースも炭酸飲料と同様、かなりな糖分量（炭水化物量）ですよね。

100％果汁ジュースであれば砂糖は入っていませんが、１個のフルーツから採れる果汁は多くありません。
コップ１杯、または500ml果汁を絞り出すのに、どの位のフルーツを使ったのでしょう？
ゴクゴク飲んでしまうより、フレッシュなフルーツを食べた方が満足感はありますし、水分補給のつもりが過剰な糖分補給になってしまうのではないかと心配です。
スポーツドリンクに含まれる糖分の量は他の飲料に比べると少ないですが、それでも大さじ2.5杯以上あります。

糖分のとり過ぎは、肥満につながりやすいとも言えます。
　　　　肥満が高尿酸血症を引き起こしやすいという因果関係がありましたよね。
（もはや贅沢病ではない痛風について 参照）

・運動前後の体重差は２％未満が目安。
運動についての詳細は別の機会にお話し致しますが、運動前後の体重変化は主に発汗によるものです。
運動中の水分補給量は発汗量に見合っている事が大切です。
水分補給量が少なければ、尿酸値が上がってしまい発作が起こりやすくなってしまうとも言えます。
夏は熱中症について、よく話題になりますが、体重の３％以上の水分が排出されると熱中症の良くない症状が起こってしまいます。（80kgの方であれば、３％減少は77.6kgです。）

そのため、運動習慣のある方は運動前後の体重をチェックして、水分補給量が十分であるかを確認すると良いでしょう。
サウナも同様ですよ。

・尿酸の排泄に貢献する牛乳・ヨーグルト。（2017/1/4放送　NHKガッテンより）
尿酸値が上がってしまう原因は色々ありますが、原因の１つに排泄が上手く行かないというのがあります。（尿酸値が高い方の9割が排泄に問題あり）
尿酸を排泄するのに貢献する食品に乳製品があるとの事でした。（排泄が37％アップしたという報告も！）

そのメカニズムは、牛乳に含まれているカゼインが胃腸で分解されアラニンになり、腎臓での尿酸の排泄を促すそうです。牛乳やヨーグルトは低脂肪もしくは無脂肪の物が良いと放送されていました。（豆乳はカゼインを含まないため、効果はない。）

乳脂肪のとり過ぎは、コレステロールを上げてしまう原因にもなりかねないため、低脂肪もしくは無脂肪が良いですね。
　　　高尿酸血症は脂質異常症と因果関係がありましたね。（もはや贅沢病ではない痛風について 参照）

１日にコップ１杯分の低脂肪・無脂肪牛乳を飲むと、痛風の発症率が43％低下したそうです。
牛乳を飲む習慣が無いという方は、飲んでみてはいかがでしょうか？

牛乳を飲むとお腹がグルグルするという"乳糖不耐症"の方の場合は、ヨーグルトであれば乳糖が分解されているのでグルグルしませんし、乳糖を除去した牛乳でも、この効果はあるそうです。

最近では、牛乳が熱中症予防に良いと言われています。
そのメカニズムは、牛乳に含まれているアルブミンが血管内に水分を引き込んで、血液量を増やす作用があるためです。血液量が増えると汗をかきやすくなったりと熱を放散する機能が高くなり、体温調節がしやすくなります。
しかも、牛乳には塩分（ナトリウム）をあまり含んでいません。
ナトリウムのとり過ぎは、高血圧の原因の一つであり、高血圧は高尿酸血症と因果関係がありましたよね。

さて、今年の夏は何で水分補給しますか？
冷蔵庫には、どのような水分補給できる物を常備しますか？