あなたの好きな食べ物は何ですか?
と聞かれたら、
なかなか即答できなかったりしませんか。
いままで食べてきた色々な食べ物や料理が次々と頭に浮かんで、
なかなかひとつには決められない。
人生の最後に食べたいものなのか?
はたまた毎日食べても飽きないものなのか?
とても悩みます。
わたし的には、小学校の卒業文集で「梅ぼしとチョコレート」と
書いた記憶があり、今でも両方とも大好きです。
その時よりは、歳を随分と重ねましたので、
梅干しなら、家漬けの昔ながらシワシワで酸味のきいた梅干しが好きですし、
チョコレートは、カカオが70%以上のほんのりとした酸味と
苦みががガツンとするものがより好みです。
ただ、今、好きな食べ物は何ですか?
との質問を受けましたら、私は「だし」と答えます。
これは先日、お仕事先の方との会食でフレンチをいただいた時のこと、
大変緊張していたこともあって、食事を終えてもなんだか満腹感がない、
そしてふと思ったのが「あー、きしめん食べたい」と。
かつおだしがキリッと効いたつゆに、
ハラハラと舞う花かつおをトッピングしたつゆをすすりたい。
私がお客様から解放され、リラックス感を味わいつつ求めたのは、
きしめんのつゆ、「だし」だったのです。
「だし」は日本人の心を解放させ、リラックスさせてくれる効果がある、
と自分の経験上、強く強く信じております。
そして、「だし」は私の身体をつくってくれた幸せの記憶でもあります。
朝食はかならず白いご飯だった実家の朝の香りは、
おみをつけのだしの香り。
つらい日も寒い日もあったけど、
私にとって概ね爽やかな一日の始まり=だしの香りなのです。
現在、仕事場の近くにケーキ屋さんとうどん屋さんがあり、
どちらも朝からおいしい香りがしてきます。
ケーキを焼いている甘い香りもハッピーですが、
うどん屋さんのかつおだしの香りも
何とも言えない幸せを、朝からかみしめさせてくれます。